文●石野純也 編集●山口ひろ美MacPeople編集部

 1週間のなかで、もっとも注目したいAndroid関連ニュースをピックアップしてお届けするこのコーナー。アクセス数が高かった記事については、MacPeople本誌連載「Androidつまみ食い」内でさらに掘り下げていく予定だ。今回は、ソフトバンクの決算発表で明らかになった夏モデル発表会を開催しない理由とその考えを紹介。


「仰々しい発表は見合わせる。状況が変わるまでは、見直すべきだと思っている」

 ソフトバンクの代表取締役社長 孫正義氏は、5月7日に開催された決算説明会で、夏モデルの発表についてこう語った。ソフトバンクは例年行ってきた夏モデルのラインアップを一挙に紹介する発表会を行なわない方針。個別に端末を発表していくスタイルとなる。孫正義氏によると、その理由は次のようなものだ。

「かつては年2回、3回と行って20機種、30機種と発表してきた。今はiPhoneと数機種のスマホ、その数機種もみんなAndroid。スマホ以外は技術の進化がほとんどなくなった。(従来型ケータイは)過去に発表されている機種を焼きまわしているにすぎない。iPhoneについてはAppleが発表会をやっている。Androidについてはそれほど機能の差がない。(キャリアの)発表会という形式の役割は終わったと認識している」。

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発表会の必要性がなくなったと語る孫正義氏

 スマートフォンも各社にiPhoneが出そろい、Androidでも差別化が難しくなった。このような状況のなか、キャリアが率先して端末を発表する必要がないというのが孫氏の見解だ。同社はすでに3辺狭額縁のディスプレーを採用した「AQUOS Xx」の発売を明らかにしているが、今後のモデルも同様に1機種1機種発表を行なっていくという。

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5.2インチで3辺狭額縁のディスプレーを採用した「AQUOS Xx」は、プレスリリースのみという形で発表されている

 確かに、AndroidもXperia、GALAXY、AQUOS、ARROWSといったブランドが横並びになりつつあり、キャリア間での差は出しづらくなっている。一方で、孫氏の言葉は額面通りに受け取りづらいところもある。「Androidは機能の差がない」というが、裏を返せば、それは優位性を持った端末を用意できなかったという意味にもなる。

 AQUOSはすでに3キャリアに提供されており、8日にはauからも発表された。従来どおりであれば、ドコモのラインナップから外れていることもないだろう。逆に、ドコモやauには、ソフトバンクにはないGALAXYやXperiaといった“ブランド”があり、実際、これらのモデルの販売数は年間数百万台の規模に達している。Sprintを傘下に収めたことによるシナジー効果による調達を狙っていたソフトバンクだが、買収からまだ間もないこともあり期待どおりの展開にはなっていないようだ。

 ネットワークについても、新たなトピックを用意できなかった。2つの周波数を掛け合わせて通信速度を上げるキャリアアグリゲーションについては、早くても夏本番のころになる見通しだ。理由は900MHz帯のLTE開始が遅れているため。孫氏は「あと数カ月で900MHz帯のLTEの電波をふける。そうすると、キャリアアグリゲーションも当然、900MHz帯と2.1GHz帯で行うことができる」と述べており、キャリアアグリゲーションは、少なくともそのタイミングまでは提供されない。VoLTEについても、現時点では具体的なスケジュールが表明されていない。

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900MHz帯の基地局は3万2000まで増やしたが、すべて3G。LTEの開始は予定よりも遅れており、それに伴いキャリアアグリゲーションも先送りになっている

 そもそも、900MHz帯のLTEは春に開始する予定だった。開始が遅れているのは、他事業者の「立ち退きが遅れている」(孫氏)ためだ。900MHz帯は現在、5MHz幅×2のみをソフトバンクが持ち、3Gのサービスを行っている。ここにLTEを追加するには、MCA無線(業務用に使われる無線通信)やRFID(無線のタグ)などでサービスを行う事業者に対し、「お金を擁して機器を渡して説得してと、非常にまどろっこしいプロセスが必要」(同)となる。この作業に遅れが生じたため、ソフトバンクは900MHz帯のLTEを予定どおり開始できていない。

 また、料金に関しては、音声定額でドコモに先を越されてしまった。孫氏は「NTTさんの場合はちょっとずるい。ドコモさんは自分のシェアが一番大きく、固定回線は圧倒的なシェアを持っているため、発信先、着信先がグループ内で完結する」と述べつつ、対抗策を打ち出していく方針を明かした。ただし、新料金プランは「1〜2カ月以内、場合によってはドコモさんの様子を見てから」と語っているように、すぐには発表できないようだ。

 このように見ていくと、発表会の役割が終わったというより、ソフトバンクにとって夏商戦で発表会を開く意義がなかったと考えられる。昨年9月に開催された冬モデルの発表会では、「共同調達が進んでいき、日本に入っていないメーカーの機種が加わる可能性もある」と述べていた孫氏。当時は端末のラインアップ拡充について前向きな姿勢を見せていたが、このSprintとの共同調達が実現すれば、かつてのような華々しい発表会を開く可能性もありそうだ。

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Sprintとの共同調達が成功すれば、再び発表会を開くようになるのかもしれない


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