文●山下博人(MacPeople編集部

 Androidスマホの最新情報や、気になることなどを探るこのコーナー。今回はソフトバンクから発表となった2014年夏モデルと、KDDIがこの夏モデルから対応する、LTEの次世代高速通信規格「LTE-Advanced」の技術である「キャリアアグリゲーション」をチェックしてみました。


■ソフトバンクの夏モデル「AQUOS Xx 304SH」をチェック!

 ソフトバンクから、Androidスマホの夏モデルが1機種発表されました。シャープ製の「AQUOS Xx 304SH」です。名称が「AQUOS PHONE」からシンプルに「AQUOS」と変化してます。

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↑3辺狭額縁が特長で、カラーバリエーションは4色が用意されている。

 前モデル同様に3辺狭額縁の「EDGEST」を採用し、5.2インチの大型ディスプレイを搭載しております。液晶は、前モデルの「AQUOS PHONE Xx 302SH」は、S-CG Silicon液晶でしたが、このモデルはおなじみのIGZO液晶となりました。ソフトバンクのリリースによると「電池持ちは3日間」とのことです。デザイン的には、メタルフレームとダイヤカットで高級感を演出。カラーは、プレシャスゴールド、ホワイト、ブラック、レッドの4種類となっております。基本スペックは、以下の通りになります。

SB304SH_G

↑5.2インチの大画面ディスプレイで、IGZO液晶を採用。


基本スペック
・サイズ:約72×135×9mm
・重さ:137g
・ディスプレイ:5.2インチ フルHD
・OS:Android 4.4
・CPU:MSM8974AB 2.3GHz(クアッドコア)
・メモリ:ROM32G、RAM2G
・カメラ:メイン・約1310万画素、サブ・210万画素
・バッテリー:2600mAh


 通信方式はHybrid  4G  LTE(SoftBank 4G、SoftBank 4G LTE両対応)に対応。防水、おサイフケータイ、赤外線に対応し、フルセグも搭載します。まさに、全部入りという感じのハイスペック端末です。

 残念ながら実機は見れてないのですが、シャープのHPを見ると、どうやら新たな機能が搭載されているようです。まず気になったのが、新開発バックライト「PureLED」。高透過率カラーフィルターと合わせて使うことで、美しい発色と明るい表示を実現しているようです。かなりキレイそうですが、電池の持ちへの影響や機能のオン・オフができるのかなども、気になるところです。

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↑新開発バックライト「PureLED」を搭載(シャープのHPより)

 カメラ機能をみると、夜景がきれいに撮れる機能が「NightCatch Ⅱ」と進化しております。フラッシュの輝度もアップしているようで、夜景撮影機能がさらに進化。F値は1.9で、今モデルにはなんとHDR撮影がリアルタイムでできる「リアルタイムHDR」機能というものが搭載されております。これは、ぜひ試してみたい!

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↑カメラにも新しい機能が搭載されているようだ(シャープHPより)

 というわけで、2014年夏モデルとして先陣を切った「AQUOS Xx 304SH」をざっと紹介してきましたが、実機に触れる機会がありましたら、また紹介したいと思います。

■関連URL
シャープ


■KDDIが夏モデルから対応する「キャリアアグリゲーション」は、なぜ150Mbps?

 キャリアアグリゲーションとは、複数の周波数帯で同時にLTEのデータ通信を可能とする技術です。KDDIは今夏からこの技術をいち早く導入し、800MHz帯と2.1GHz帯の2つの帯域を重ねて運用し、最大通信速度(受信時)150Mbpsを実現すると発表しました。今後発表される夏モデルから対応となるそうです。

 ご存知のように、LTEは帯域幅で通信速度が変わるという特性があります。5MHz幅の場合は37.5Mbps、10MHz幅の場合は75Mbps、15MHz幅の場合は112.5Mbpsというように、帯域幅によって「37.5の倍数」で速度が変化。まとまった帯域幅で運用すれば、それだけ通信速度が出るという仕組みとなっております。

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↑2014年の夏モデルから対応とのこと。はたして、何機種が対応となるのか?

 ただし、LTEはこれまで800MHz帯なら800MHz帯のみ、2.1GHz帯なら2.1GHz帯のみと、同一の周波数でのみの運用しかできず、まとまって広い帯域幅を確保するのが難しいという問題点がありました。たとえば、KDDIのメインバンドである800MHz帯は、総務省から割り当てられた帯域は15MHz幅。そのうちLTEは導入当初から10MHz幅を使って75Mbpsの速度で運用しておりましたが、残りの5MHz幅は3G回線で運用しているため、LTEの帯域幅を10MHz以上に広げることが難しいのが現状です。

 そんな中、発表となったのが、今回のキャリアアグリゲーション技術の導入です。この技術により、800MHz帯の10MHz幅と2.1GHz帯の10MHz幅という異なった周波数の帯域を合わせて「20MHz幅」で150Mbpsの通信速度で運用することが可能になりました。「25MHz幅」を束ねれば、187.5Mbps、「30Mbps幅」を束ねれば、225Mbpsと、さらに速くすることも、技術的には可能です。

 では、なぜKDDIは今回のキャリアアグリゲーションの導入にあたり「受信時最大150Mbps」という通信速度で発表したのでしょうか。ご存知のように150Mbpsという通信速度は、エリアは限定的ながらもKDDIの2.1GHz帯と、NTTドコモの1.7GHz帯という”単独の周波数”で、すでに運用されております。つまり、150Mbpsという速度自体は、それほど目新しくはないんですよね。せっかく発表するならば、既存の単独周波数では実現できない「187.5Mbps」や「225Mbps」まど、これまで実現してない速度を謳ったほうがインパクトはあったはずですが、なぜ、そうしなかったのでしょうか? 現に、ドコモが4月25日に行われた決算発表会で、LTE-Advancedの導入と2014年中に225Mbpsのサービスを始めると発表しております。

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↑キャリアアグリゲーションの特長は大きく3点。通信速度はもちろん、安定性と効率化に注目したいところ。

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↑ドコモの決算発表会の資料より。2014年度に225Mbpsサービスを始めると発表

 150Mbpsである理由はわかりませんが、想像してみますと、単純に現時点で150Mbps以上の回線速度を現実するのが難しいということなのかもしれません。異なる周波数といえども、800MHz帯と2.1GHz帯で合わせて20MHz幅をまとめるのは簡単でないと思われますし、それ以上となると厳しいはずです。サービス開始時に、はたしてどのくらいのエリアがキャリアアグリゲーション対応となるのかわかりませんが、エリアの展開の仕方も気になりますよね。

 ほかに考えられる理由として、端末側のほうの問題があります。LTEには「カテゴリ」という基準がいくつか用意されておりまして、端末によって対応できる速度も決まっております。現状、最新のアンドロイドスマホは「カテゴリ4」がほとんどで、その受信最大速度は150Mbps。この2014夏に日本で登場する端末も、たぶん同様の「カテゴリ4」対応となると思われます。先ほど紹介した「AQUOS Xx 304SH」や、グローバルで発表されているGALAXYやXperiaの最新モデルはそれです。つまり、そもそもスマートフォン側のほうで、150Mbps以上の速度に対応するものがないということなんですね。逆にいうと、ドコモが決算で発表した225Mbpsという速度は「カテゴリ4」では実現できない速度なわけでして、その速度を謳うからには2014年度中には「カテゴリ5」以上対応の端末が出るということなんでしょう。KDDIのキャリアアグリゲーションも、ドコモと同時期に225Mbpsに対応するのでしょうか? ちなみに、米クアルコム社がすでに発表しているCPU「Snapdragon805」は「カテゴリ6」に対応し、300Mbpsの回線速度に対応するようですが、それを搭載する製品は今冬からとなるのでしょうか!?

さしかえ

↑ここではカテゴリ5までの通信速度をまとめてみました(6以上もあるようです)。2014年の夏モデルは、ほとんどがカテゴリ4対応となります

 以上、KDDIがこの夏から始めると発表したキャリアアグリゲーション技術について簡単に紹介しましたが、このタイミングでその最新技術を採用した端末が出ること自体は大いに歓迎したいところ。続報に期待したいと思います。

■関連URL
KDDI

 

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